最終巻となった「破壊神マグちゃん」9巻の感想です。
終わってしまったという悲しみと、素晴らしすぎるラストに感動の第9巻。
マグちゃんと流々ちゃん、1体と1人の友情の物語が完結しました。
- 作者:上木敬
- 対象:小学生~
- エログロ描写なし
- 2022年6月に集英社より刊行
- この9巻が最終刊
前8巻の感想は↓
「破壊神マグちゃん 9」について
「破壊神マグちゃん」が2022年6月発売の9巻をもって完結しました。
最終巻の感想は
最高でした!これ以上ないくらいのラストです!
というただただ絶賛に尽きます。
少年マンガとしてはやや短めですが、ストーリーを完璧にまとめあげた上での完結なので大満足です。
こんなに美しいラストがあるのか、というほどの最高のクライマックスでした。
褒めたい部分が多すぎるのですが、まずは「破壊神マグちゃん9」のあらすじを掲載します。
受験や卒業を前に将来の夢を語り合い、平穏な毎日を願うも、同じ日を繰り返すという現象に巻き込こまれる流々。この事態にマグちゃん達は、新たな邪神の存在に気づき…。破壊神とのスローライフ物語、完結!!
破壊神マグちゃん9―Amazon.co.jp
9巻はまず、8巻から続く長編の途中からスタート。
完全に主人公の地位を奪っているイズマとウーネラスの戦いに決着がつきます。
そして、季節はクリスマス、新たな春へと流れ・・・。
本編+外伝
9巻は本編7話+外伝という構成になっています。
本編は77話(最終話)で完結、続いて外伝が始まります。
外伝は「破壊神マグちゃん」で地道にがんばり続けていた少年・藤沢錬が主人公。
おそらく読者の全てが気になっていたであろう、藤沢錬の淡い恋の行方が描かれています。
ただ外伝のタイトルが『少年の狂恋』であるところからも、なかなかハード?な展開になることは予想できました。
事実、少年の恋はなかなかハードな結末を迎えますが、おそらく・・・そういうことなのだろうと思います。
表紙はマグちゃん&流々
9巻の表紙はマグちゃんと流々ちゃんです。
破壊神マグちゃん 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)
流々ちゃんの腕にしっかりと抱かれたマグちゃん。
マグちゃんを抱いている流々ちゃんの顔がなんとも言えない笑みを浮かべているのが印象に残ります。
この表情、そして状況は、9巻のあるシーンのもの。
そのシーンを見た後にもう一度表紙を見ると、泣きます。
泣きました。
週刊少年ジャンプで初めて読んだときも泣きましたが、コミックスで読み直しても泣きました。
そして、今や表紙だけで泣けます。
また、この9巻の表紙は1巻の表紙と対になっています。
どちらもマグちゃん&流々ちゃんの2ショットですが、9巻を経て、2人の関係性は大きく変わりました。
その関係性の変化を表していると考えると、表紙の変化はとても感慨深いです。
破壊神マグちゃん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ラストの後の最終話
「破壊神マグちゃん」の第76話タイトルは『破壊神マグちゃん』。
完全に最終話のようなラストで、内容も完全に最終話でした。
ストーリーはこの76話の時点で一旦終了しています。
中学生だった流々ちゃんたちは卒業し、次のステップへ。最終話らしい最終話と言えます。
しかし、ストーリーは最終話(第77話)へ。
この「破壊神マグちゃん」最終話は良い意味で予想を裏切るラストでした。
高校生になった流々ちゃんたちの『その後』。
そしてマグちゃんの行く末について。
まさか、ここまでしっかりと終わらせるとは思っていなかったので驚きました。
その完璧な終わり方は何度読んでも涙が出ます。
ちなみに、最終話のタイトルである『夢見るままに待ちいたり』は、マグちゃんのモチーフとなっているクトゥルフ神話から引用された言葉。
「破壊神マグちゃん」の結末に合っていました。
<完成>「破壊神マグちゃん」邪神まとめ
ついに「破壊神マグちゃん」の邪神まとめが完成しました。
最終9巻で第二柱であるユピススが加わります。
また、最終話にちょびっと登場した無位の存在についても書き加えました。
位 | 名前 | 能力 | 能力の説明 |
---|---|---|---|
第一柱 | マグ=メヌエク (マグちゃん) | 破滅 | 破滅の眼光で目からビーム(破壊光線)を出す |
第二柱 | ユピスス | 久遠 | 久遠の掌握で時空に干渉し、時を巻き戻す |
第三柱 | ミュスカー | 運命 | 予見した未来に干渉し確定する 空間掌握の広域結界・運命の静寂を形成する |
第四柱 | ウーネラス | 摂理 | 摂理の脈動で自然法則を改ざんし魔道具を精製 |
第五柱 | ナプターク | 狂乱 | 狂乱の咆哮で生き物を自由自在に操る |
第六柱 | ノス=コシュ | 夢幻 | 夢幻の薫香により催眠と幻覚をもたらす |
無位 | ゾンゼ=ゲ | 暗澹 | 暗澹の荊棘を出し、触れた生物の精神の裏側を引きずり出す テンションを大幅に下げる |
無位 | グ=ラ | 金剛 | 肉体の再生と強化、物作りが得意 |
無位 | ニニツィ | 亜空 | 『亜空の幽門』により亜空間を開き、繋ぐ |
無位 | シュロ=シモー | 忘却 | 不明 |
これでついに完成ですね。
邪神様たちはみんな可愛くて、全員ぬいぐるみにしてほしいくらいです。
終わってしまったのは本当に寂しいです。
でも、こんなに素晴らしいラストはそう滅多にお目にかかれないと思います。
2年足らずの短い時間でしたが「破壊神マグちゃん」のファンになれて良かったです。
ここまで「破壊神マグちゃん9」の感想でした。
【ネタバレあり】「破壊神マグちゃん」感想余談
ネタバレありで「破壊神マグちゃん」感想の続きを書いていきます。
高校生になった流々ちゃんたち。
最終話ではそこから時間が瞬く間に過ぎ去っていく様子がサラッと描かれました。
そして、最後は流々ちゃんが亡くなり、その姿を看取りマグちゃんは再び封印されます。
しかし封印されたマグちゃんの前に現れたのは、出会った頃の流々ちゃんでした。
夢を見ないはずの破壊神が夢を見る。
何十年も傍で一緒に過ごし、流々ちゃんの『存在』を焼き付けたマグちゃんはもう1人じゃなかった。
こんな美しく尊いラストになるなんて想像していませんでした。
そして、再度封印が解かれたマグちゃんの前に現れたのは、流々ちゃんを彷彿とさせる幼い少女でした。
マグちゃんは新たなパートナーを見つけ、その『存在』を自身に焼き付けていくのだと思います。
完全に余談ですが、藤沢錬が(おそらく)流々ちゃんと結ばれたであろうことが喜ばしいです。
結ばれた過程も書いて欲しい、というのは野暮でしょうね。
まあ、彼は何とかやり遂げたのでしょう。
そして、もう1つ気になったのはイズマの存在。
流々ちゃんが亡くなった後も、年を取ってはいるものの普通に元気そうなイズマ。
流々ちゃんが何才でなくなったのかは分かりませんが、元気です。
(絶対にないでしょうが)サイドストーリーでイズマが聖騎士団でいかに活躍していったかを描いて欲しいなとも思いました。
登場人物の幸せなラストを目に焼き付けられて、とても幸せでした。
やはり「破壊神マグちゃん」の最終話は最高だったと思います。